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テレ朝「駆け込み結婚相談所」トーク分析 2019年3月16日 OA

トーク・スピーチ

しゃべりには、その人の本音や、クセ、環境、好み、思考パターン、価値観など、すべてが表れます。

しゃべり方はその人そのもの。






さてさて、今回も3月14日に放送された、テレビ朝日の「駆け込み結婚相談所」に登場された方々のしゃべりを勝手に分析。

しゃべり方から見た内面と、改善案を、トーク診断師の立場から提案致します。



「駆け込み結婚相談所」という番組は、結婚したいけどできないという独身男女が登場し、これまでの恋愛観などを話し、専門家がアドバイスするという番組です。



出演者は、皆さんとっても個性的で飽きません。




まず、最初に登場したのは、

太田順子さん(36歳) メイキャップアーティスト

とてもカワイイ方です。

マッチングサービスなどで、婚活はしていたけれど、なかなかご縁がなかったそうです。

20代は常に彼氏がいたけれど、30歳を超えたらちゃんとした彼氏ができなくなったとのことで、「いろいろヤバイ」ことがあったそうです。

たとえば、彼氏の家で他の女性と鉢合わせ、婚約破棄、浮気、二股などなど。




「ヤバい人」でも、美味しいものを食べさせてくれると、いいなぁと思ってしまい、最初に会ってから肉体関係を結ぶまでの時間は、「早くてその日!」だったとのことです。




太田さんのしゃべリングタイプは「温厚タイプ」です。

温厚タイプ <幸せを呼ぶ癒しびと>

ご自身のしゃべリングタイプが知りたい方はこちらへ☟





<トークから見る内面>

太田さんのしゃべり方の特徴は語尾を伸ばすことでした。

〇〇なったんだけどぉ、

〇〇って言ったらぁ、

〇〇苦しかったんだけどぉ、

〇〇いる人でぇ、

〇〇言ってたのにぃ、




語尾を伸ばす方には2つのタイプがあります。

ひとつは、

「なんですけどぉ」と母音を小さく伸ばす太田さんのようなタイプ。

もうひとつは、

「なんですけど。おー」と、一回止めてから、最後の言葉の母音をはっきり音にして伸ばす東京都知事・小池百合子さんのようなタイプです。




同じ母音を伸ばすにしても、この2タイプはまったく意味合いが違います。

小池さんのようにはっきり母音を伸ばすのは、自分の意見を強めたいという意識の表れですが、太田さんのように小さく母音を伸ばす方の特徴は、他力本願の傾向が強く見受けられます。

自分で方向を決めるのが苦手で、相手の言動に流されてしまいがち。相手次第で自分の行動を決めてしまう方が多いのです。

ですから、一度「9歳年下の天使のような男性」とお付き合いしたそうなのですが、彼は「天使すぎてダメ」だったそうです。

グイグイ来て、強引にでも引っ張ってくれる人が好きだからなのでしょう。

例え利用されていると感じても、男性の強引さに魅力を感じてしまうようです。



<しゃべりアレンジ>

とても美人で可愛らしい方なので、女性としての「優しい強さとキレ」があったら、更に魅力的になると感じました。

声の出し方もとても素直で、綺麗でしたので、意識するところはたったひとつ、

語尾を伸ばすのをやめてみること。


しゃべりのクセは、そのまま行動のクセとなりますから、このままですと、また他力本願で人に言われるままの状況を作り上げてしまいます。



ですが、語尾を伸ばさず、しっかりしゃべることにより、意識と行動に変化が生まれ、他本願が緩和されていきます。

しゃべり方と行動の連動性は密接で、本当に魔法のように変化が現れます。


ただ、語尾を伸ばすのは、完全にクセになっていますから、まずは自分の声を録音して、語尾を伸ばすしゃべりを確認してみるといいかもしれません。


語尾を伸ばさず、しっかりしゃべると、人の意思よりも自分の意思が優先したくなってきますから、「上手いウソで誘惑する男性」や「利用しようとする男性」ではなく、お互いの気持ちを尊重しながら、愛を育める人に魅力を感じるようになります。


好きになる対象が変われば、恋愛にもポジティブな変化が起きるのではないでしょうか。

語尾を伸ばさずにしゃべる。



金井洋平さん(35歳) メンズファッション誌の編集



にこやかな笑顔は人が良さそう。

でもご本人いわく「一見、人が良さそう」なだけなのだそうです(笑)。



老後の心配があり、子供に面倒を見てもらうため結婚したいとのことでした。

また、結婚相手は、掃除、料理、経済などすべてを面倒みてくれる人が希望。

子供も、結婚相手も面倒を見てもらいたいから必要ということのようです。



お給料は使い切り制で、アイドルにすべてを使っているそうです。

また、これまでお付き合いをした方と別れたのは自分の束縛が激しいから。

婚活としては、マッチングアプリと相席居酒屋。

結婚できないのは、自分が「チビ、デブ、ハゲ」だからと言っていました。



金井さんのしゃべリングタイプは「礼節タイプ」

礼節タイプ <誠意の人望者>

ご自身のしゃべリングタイプが気になる方はこちらから



<トークから見る内面>

登場してまず最初に口にしたのは、

自分が「結婚できないのはチビ、デブ、ハゲだから」でした。

冒頭でそう断言してしまっているのです。

なぜ真っ先に結婚できない理由を口にしたのでしょうか…。

ご自身では気づいていない深層に「結婚したくない」という思いがあるからではないでしょうか。

結婚「したい」から登場したのに、「できない理由」を最初から断言してしまういのは、「できない」と決めつけることのほうが、自分の深層にフィットするからかと思われます。

そう言ってしまったほうが安心するのです。

いい方を変えれば、内心では「結婚しない」メリットのほうが、「結婚する」メリットより大きいと捉えているのでしょう。

アイドルにお給料をすべて使い、ストレス発散、テンションマックス、そんな生活がけっこう気に入っているのではないでしょうか。

また、しゃべるとき、終始首をかしげていました。

何かに疑問を持っているのです。

それは、自分自身と、「自分が結婚したい」と言っていることに疑問を持っているように見えました。

<しゃべりアレンジ>

本当に結婚したいと思っているか、いないかは置いておいても、

金井さんがご自身の魅力を引き出すための「しゃべりアレンジ」は、3つ。

①自虐コトバを使わない。

②相手に望むことよりも、相手に与えられることを言葉にする。

③首をかしげずにしゃべる。

ということだと思います。


詳しく説明していきますね。

①自虐コトバを使わない。

自分を「チビ、デブ、ハゲ」などと面白おかしくいうことは、

自分に対してとても失礼。面白い自虐ネタでもありませんしね。

また、背が低くても、ふくよかでも、髪が薄くても、素敵な方はたくさんいますから、他者に対しても失礼な言葉ですよね。

自分と他者を傷つける言葉を使う男性が、魅力的に見えるはずもありません。

②相手に望むことより、相手に与えられることを言葉にする。

掃除、料理、経済のすべてをフォローしてくれる人が欲しいと言いますが、そのすべてを提供してくれる女性なんて、いるはずもありません。

これでは、お店に行って、お金は払いたくないけど、この商品は欲しいと言っていることと同じです。

言葉にするなら、まずは自分ができることを探して見つけ、言葉にするようにすれば、必然的に人は寄ってきます。

最初から「ちょうだい、ちょうだい」ではなく、「あげる、あげる」と気前よくあげちゃうことです。

最初に人に与えなくては、何も与えてもらえませんから。



③首をかしげずにしゃべる。

小首をかしげてしゃべる人は、自分に自信が持てない人に多く見受けられます。

人は自信がない人といると、自信のなさが転写して、エネルギーを奪われたような感覚になってしまいます。

これでは、なかなか女性も寄ってきません。

自信がないから、首をかしげる。

でも、首をかしげなければ、自信が持てる可能性は高まります。

これはクセですので、意識的にやめていくしかないですね。

壁に「首をかしげずにしゃべる」と書いた紙を貼ってみるのもいいかもしれません。



3つのポイントを実践して、金井さんの優しさと魅力が引き出されますように。



相手に望むことより、相手に与えられることを言葉にする。


松永りささん (49歳)スナックのママ



20代前半で一度、結婚されて、娘さんがいらっしゃるそうです。

相手に求める条件は30個ほどあり、その30の条件に合う人でなくてはダメ。

更に店の手伝いをしてくれる人がいいとのこと。

条件が少しでもズレるとダメで、腕毛もダメだそうです(笑)。

年収は700万くらいの方で、求めている年齢は30歳くらい。

大幅な年下がいい理由は、ご自身が先に死にたいからとのことでした。



松永さんのしゃべリングタイプは「機転タイプ」

機転タイプ <配慮の魔術師>

ご自身のしゃべリングタイプが気になる方はこちらから





< トークから見る内面>

接客業でいらっしゃるだけに、明るくて話がうまいし、面白い。

頑張りやで、人徳があることもよく伝わってきました。

娘さんのお洋服を着てきたそうですが、

ちょっと派手目のファッションを堂々と着こなすところも魅力的。

人からどう思われようと、やりたいことをやりたいようにやる度量には、逞しさを感じました。

ですが、相手の男性に求める条件がイロイロありすぎます。

松永さんが相手に求める条件は、年収以外、そのまま自分自身に課している条件なのだと感じました。

すべての条件を網羅できるほど、努力してパワフルに生き抜いてきたのだと思います。

つまり松永さんは、自分の分身が欲しいのです。

自分がこれだけできるんだから、相手もできて当たり前の人でないと釣り合わないと感じているのかもしれません。


<しゃべりアレンジ>

人と人は、容姿や、思考や、クセや、習慣や、得意なことや、不得意なことが違うからこそ、相手が必要なわけで、自分の分身なら補う必要もないし、相手から学ぶこともなくなってしまいます。

現実的に分身なんて存在しませんし、もしいたらとてつもなくつまらないでしょう。

また、理想のパートナーに出会うためにイメージトレーニングをするとき、こんなふうにたくさんの条件を出して、細かい理想を思い描くという方法も効果的な場合があります。

ですが、それはその条件を全部把握し、覚え、いつどこででもイメージすることができればの話です。

条件はたくさん出したけれど、多すぎてほとんど覚えていないとなれば、イメージトレーニングの効果はなし。

おそらく、こんなにたくさんの条件は覚えていられないでしょう。



相手にしても、あまりに多い条件を提示されては引いてしまいます。

たとえ条件を29まで満たしていても、1足りないからダメなんだ、となってしまうでしょう。



言葉にするのであれば、

「条件」ではなく、

「自分に最高に合うパートナーが欲しい」と言う。

それが、最高のパートナ―に合う最短方法だと思います。

イメージトレーニング的に言うならば

「自分に最高に合うパートナーと出会えた」

と過去形で言う方がより効果的です。

どちらにしても「最高に合う」という言葉に、すべてが集約されていますから。

「自分に最高に合うパートナーと出会えた」と言葉にする。





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