COLUMN

Produced by Ryoko Kuwana

トーク&スピーチ

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マツコさんの話の聴き方は心理カウンセラーレベル

トーク・スピーチ


トークの極意は無言のとき

マツコ・デラックスさんのトークの魅力を検証すべく、改めて出演番組と音声データを30本ほどチェックしてみました。

で、気が付きました!

博識であったり、機転が利いたり、無表情だからこそ面白いジョークであったり、トークの魅力はいろいろあったのですが、何よりも図抜けていると感じたのは、人の話を聴いているとき。そう、マツコさんがしゃべっていないときでした。

完全に空になって相手の話しを聴いているのです。

多くの人は、相手がしゃべっているとき、ほんの少しでも次に自分がしゃべることを考えてしまいます。

または、相手がしゃべっているとき、思わずさえぎって自分がしゃべってしまうこともあります。

ですが、マツコさんは完全に空になって(または頭の一部を完全に空にして)相手の話しを聴いているのです。

なぜそれが分かるのかと言うと、相手が話した後の受け答えに、まったくズレがないからです。

完全に相手の話しを隅から隅までキャッチしていなければ、受け答えのできない内容をしゃべっているのです。


ファンが増える聴き方のツボ

もうこれは、心理カウンセラーレベルの聴き方。

カウンセラーがクライアントの話を聴くときは、クライアントの体験談に集中し、それを追体験しようという意図をもって、ただありのままを聞きます。

ありのままを受け取り、頑張らずに「無知の姿勢」で聴きます。

もっと言えば、言葉自体を聴いているのではなく、態度や様子や心を聴いています。

するとクライアントは、共感されている安心の中で、落ち着いて真実を語れるようになります。

マツコさんの聴き方は、まさにこのカウンセラーレベルです。

受けた後にすぐに言葉が出てくる回転の良さは、マツコさんの卓越した能力であって、なかなか真似のできるものではありませんが、「聴き方」ならば、私たちも真似をすることができます。

自分が次にしゃべることを考えず、とにかく空になって相手の話しを聴く。

心の言葉も聴く。

態度や表情からも言いたいことを聴く。

それができたら、相手は必ず快気分に包まれます。
話を聴いてくれた人のファンになります。

知り合いの方の顔を何人か見渡してみて下さい。

「信頼できる人=自分の話をちゃんと聴いてくれる人」ではないでしょうか。

自分がしゃべることや、後先のことを考えず、ただ空になって話を集中して聴くことができれば、
信頼できる友だちができる、
ファンが増える、
信頼関係が深まる、
相手を安心させることができる、
会話が楽しくなる。

マツコ式の「聴き方」はいいこといっぱいです。

ちょっと今日の会話で試してみてはいかがでしょう。

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