桑名涼子|MC司会|講演|

従業員のコミュニケーション力を高めるために必ずやるべきこと

対人コミュニケーション

企業が求めているのは15年連続コミュニケーション能力

「コミュニケーション能力の高い人」というと、どんな人を思い浮かべますか

 

以前に私のセミナーに参加して下さった方にお願したアンケートには、こんな答えが書かれていました。

 

<Q コミュニケーション能力の高いと思われる人は?>

〇誰とでも仲良くできる。

〇気持ちのいい挨拶ができる。

〇面倒見がいい。

〇決めつけない。

〇問題解決能力が高い。

〇相談しやすい。

〇優しい。

〇いつもニコニコしている。

〇親身になってくれる。

〇陰口を言わない。 

〇本音で話せる    

〇冷静に対応できる   等々

 

 

 

 

 

んー、なるほどぉ……。

 

 

では、次に日本経団連が調査した「企業が社員採用時に求める資質」の統計をご覧下さい。

横軸が「年」で縦軸が「割合」です。

 

 

 

企業が社員採用時に求める資質は、

しかもダントツ!

2位の主体性とは、大きな差がついています。

 

 

こんなに多くの企業が「求む! コミュニケーション能力のある人!」と、15年間言い続けているんですね。

 

15年言い続けられるなんて、根気がありますね(笑)。

 

 

えっ!? でも、15年間言い続けるということは、15年間コミュニケーション能力の高い人が増えていないということでしょうか!?

 

もしも「コミュニケーション能力の高い人」がどんどん入社していたら、「もう十分、これからは主体性のある人を増やしていこう」ということになるのではないでしょうか。

 

それとも「コミュニケーション能力」こそすべての原点だから、永遠に「コミュニケーション能力」のある人を求め続けようと考えているのか…?

 

その前に、新入社員を採用する側の企業の方々は、「コミュニケーション能力」というものをどんなふうに捉えているのでしょうか。

 

 

新入社員が入社してから行っているコミュニケ―ション研修の内容を見ると、「名刺の渡し方」「挨拶の仕方」「トラブル対処法」「会話の仕方」「信頼の築き方」「話の聞き方」………等が中心です。

 

ということは、さっき挙げたアンケ―トの結果のように、「コミュニケーション能力」の高い人というのは、「誰とでも仲良くできる人」「面倒見がいい人」など、『対人関係が円滑にできる人』と捉えているのかもしれません。

 

 

 

「コミュニケーション能力だから、対人関係が円滑にできる人と思うのは、当然でしょう?」

と多くの方が思うかもしれませんが、対人コミュニケーションのベースは、セフルコミュニケーション。自分自身との調和です。

 

100人いたら100人まったく違う個性があり、魅力があり、強みがあり、悩みがあり、クセがあります。

 

まず、自分自身がどういう人間なのかを知り、自分自身と気持ちよく調和をしていなければ、人とのコミュニケーションが上手くいくはずもありません。

 

つまり、自分自身とのコミュニケ―ション(セルフコミュニケーション)がとれていない状態で、円滑な人間関係(対人コミュニケーション)の方法について学ぶのは、基礎工事をしないで家を建ててしまうようなもの。

 

何回やっても、何百回やりなおしても、ゆるぎないコミュニケーション能力がつくはずもありません。

 

 

相手より先に自分と向き合う

 

 

 

 

 

ひとつの例をご紹介しましょう。

 

以前、ご相談に見えた商社マンのやる蔵さん(仮名)という好青年がいました。

キビキビとしていて、感じも良くパワフルで人をバリバリリードしていく積極的なタイプです。しかもイケメンでした。

 

これまでやる蔵さんは、内気だけどマイペースなウチノさん(仮名)と一緒に仕事をしていました。

ウチノさんは、生真面目で指示に従いコツコツと仕事をされる方です。タイプの違う二人は、指示する側と、指示に従う側で、とてもいいコミュニケ―ションがとれていたそうです。

ところがウチノさんは、人事異動となり次に、いく男さん(仮名)という人と仕事をすることになりました。

 

いく男さんもリーダー気質で、的確な指示を出すうえ、頑固で自分の意見を曲げません。二人は共にトップに立ちたいタイプです。

二人は、何度もぶつかり、しだいに険悪になってきたそうです。

 

ですが、やる蔵さんもいく男さんも、どうにか円滑にやっていかなければと感じ、研修で習った「コミュニケーション・スキル」を思い出し、苛立ちを抑え、相手を思いやりながら、優しい口調で会話をすることに極力務めたそうです。

 

 

心の中は釈然としないものの、口調だけでも優しくすれば互いの関係が修復できると考えたのです。

 

ですが、互いのモヤモヤは依然として解消できなかったどころか、優しい口調がかえってイヤミに聞こえることもあったそうです。

 

このときの二人には共に相手への苛立ちしかありませんでした。

「相手」への苛立ちばかりつのらせ、「自分自身」のことなどまったく考えていないのです。

 

 

苛立ちを感じるということは、「相手以外」に何か必ず自分自身に原因があります。

 

元々持っている「我」かもしれません。

「相手への嫉妬」なのかもしれませんし、「コンプレックス」なのかもしれません。

いずれにしても問題は、対相手よりも、「自分自身の考え方や思考の習慣」にあるということをすっかり忘れています。

 

苦手な相手は、自分の悪癖を知らせてくれるために現れます。

 

何よりも相手にどれだけ苛立ってみても、解決はしません。

 

 

自分の中の原因に意識を向けないで、「対相手」と上手くやっていくために表面上の対応をしたところで、互いにスッキリしないばかりか、関係が改善されることはありません。

 

 

コミュニケ―ションのベースは、あくまでも「セルフコミュニケーション(自分自身との調和)」です。

 

 

それでは、自分と気持ちよく調和をするためにまず何をすればいいのでしょうか。

 

長所と短所は表裏一体ですので、短所を直せばいいとは一概に言えません。

 

ですが、悪癖を直すことは、セルフコミュニケーションをとるためのとても効果的な方法です。

 

悪癖とは、「自分自身を苦しめてしまうクセ」です。

相手を苦しめる以前に、自分を苦しめてしまうクセです。

 

やる蔵さんといく男さんの場合、意見がかみ合わず、険悪な雰囲気になって、毎日スッキリしないということは、「相手の意見を聞き入れられない」というクセが自分を苦しめているわけです。

 

人の意見を受け入れられない人の多くの人の心には「怯え」があります。

自分が誰よりも脚光を浴び主人公でいたのに、人の意見を聞き入れてしまっては、わき役に転じるような錯覚に陥ってしまうのです。

 

素晴らしい脇役はたくさんいるのに、主役だけが自分を守るバリアだと思い違いをしているんですね。

 

バリアで身を固めておかないと、怖いのです。

 

ですがこのような思考ですと、常にバリアを張っていなければならず、心が休まりません。

心が休まらないどころか、自ら敵を作ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

自分が変われば相手が変わる

 

その話を私がやる蔵さんにしたところ、やる蔵さんはハタと気が付いたように言いました。

「あれ、別にバリア外したって、死ぬわけじゃないし、意見を通さなくたって自分が転落するわけでもないんですよね。なんか、互いの意見の内容よりも『自分が一番』っていうことにこだわっていたのかもしれない…」

 

そこで初めてやる蔵さんは「いく男さんの主張」について考え、取り入れられる意見がいくつもあることに気が付いたと言います。

 

つまりやる蔵さんがこだわっていたのは、相手の意見(対相手)ではなく、自分のこだわり(対自分)だったのです。

 

それからというものやる蔵さんは、行く男さんの意見を「空になって聞く」ことに専念しました。

 

そして、自分との相違点、強調点を見つけ出し何度もすり合わせをしたそうです。

 

結果やる蔵さんと行く男さんは、社内でも最強のコンビとなり、営業成績でトップとなりMVP賞を獲得しました。

 

 

 

何よりも不思議だったとやる蔵さんが言うのは、やる蔵さんの考え方に変化が生まれたその瞬間、行く男さんも変化したことだと言います。

 

「まるで、魔法にかかったようでした。自分が行く男さんの意見を聞く耳を持ったとき、行く男さんの心がまるで氷が一気に溶けだすように柔らかくなっていったんです。本当に強く思っただけで…」

 

これは、様々な場面で頻繁に起きうることです。

 

魔法でも何でもありません。

自分が変われば相手が変わる。

 

保障します!

 

 

対人コミュニケ―ションのベースは、あくまでもセルフコミュニケーションです。

 

 

 

まとめ

 

  • 多くの企業がコミュニケーション能力の高い人材を強く求めている
  • コミュニケーション力のベースは対自分自身、セルフコミュニケーション。
  • セルフコミュニケーション力を上げる近道はイヤな出来事を通じて自分の悪癖を知り、改善する。
  • 自分が変われば相手が変わる。相手を変えようとしない.

 

「求む! コミュニケ―ション能力のある人!」と旗を掲げる企業の皆さまは、まず最初にセルフコミュニケーションの重要性に意識を向け、個々の悪癖を改善し、強みを伸ばす指導を取り入れてみてはいかがでしょうか。

詳しくは講演「強みを引き出すバランスアップ・コミュニケーション」の中でお話します。
2回連続講演では「9つの性格分析エニアグラム」を使って、更に詳しくひも解いていきます。

 

強みを引き出すバランスアップ・コミュニケーション

~人間関係が楽しくなる・もっと自分が好きになる~

 

強みを引き出すバランスアップ・コミュニケーション

~人間関係が楽しくなる・もっと自分が好きになる~

【効果】
自分の強みを知って、人間関係の悩み、メンタルの悩みを解決するための思考法を身につけます。
【内容】
〇自分を知り自分の強みを知る
〇折れることのない柔らかい体と心を作る
〇言葉以外のコミュニケーション力を身につける
〇プロスポーツ選手も行うイメージトレーニング方を身につける
〇振り回されないメンタルを自分のものにする 等

講演ページへ

 

きどき出てくる登場人物

メンタル心理カウンセラー ティーちゃん   <切れ者>

  おしゃべりな鳥  ツボ太 聞きたがり> 

 

《筆者》 桑名涼子 <MC/コミュニケーション・クリエイター>
テレビ、ラジオ、イベント、ディスカッションなどでの『司会』と、「対人コミュニケーションのベースは自分自身との調和にあり」というコンセプトで『コミュニケーション・クリエイター』として活動。全国での講演や、様々なメディアでのコメンテーター、雑誌新聞などでアドバイスやメンタル診断の監修を務める。
また、ナレーション、執筆などすべて『言葉』に関わることが活動の主軸。
メンタル心理カウンセラーとしても活動し、執筆した「RKカード」は口コミで広がり全国に数万人のユーザーがいる。
モットーは「楽しく」。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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