COLUMN

Produced by Ryoko Kuwana

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外向型を超える内向型リーダーの魅力

コミュニケーション

■ 外向型至上の誤解

私たちは幼いころから、外向的な人を良しとする傾向があります。

笑顔で人に接し、ポジティブで、初対面の人ともすぐに打ち解け、部下の相談に積極的にのり、話題も豊富で話術も上手い。

そんな外向的な人になりましょう。
と、教えられてきました。


ですから、「自分は内向的だ」という自覚があっても、あえて外向的にふるまったり、なるべく内向的だと思われないようにしようとする傾向があります。


そもそも外向型と内向型とは、どういうことなのでしょうか。

「外向型・内向型」という言葉は、100年近く前にユングが伝えました。

ですが、その後様々な研究者がこの言葉の多様な定義を述べ、今やっと淘汰されつつあります。

外向型は「強い刺激でちょうどいいと感じるタイプ」、
内向型は「低い刺激でちょうどいいと感じるタイプ」と、捉える定義です。

強い刺激とは、毎日初対面の人と会うとか、過激なスポーツに挑戦するとか、どんどん行動していくなどです。

弱い刺激とは、本を読んだり、温泉に入ったり、親しい人と食事をしたりという感覚です。

内向的な面と外向的な面の両方を持ち合わせている両向型もいれば、外向的だけど内気な人、内気ではない内向型の人もいるので、一概に「内向型か外向型か」を決めることは、できません。

ましてやどちらがいいという訳でもありません。


■偉業を成し遂げた内向型の魅力

ですが、どうしても解かなければならない大きな誤解は、「内向型の人より外向型の人の方が優れている」という捉え方です。


歴史を紐解いてみると、偉業を成し遂げた人の多くが、内向型でした。

ニュートン、アインシュタイン、ビルゲイツ、ゴッホ、ショパン、スピルバーグ、JKローリング等々等々。

とりわけリーダーにスポットを当てると、内向的なリーダーが上手に企業を運営していることが分かります。

ペンシルバニア大学のビジネススクールであるウォートンスクールのアダム・グランド教授の仮説によると、外向型のリーダーは、部下が受動的なタイプであるときにパフォーマンスが向上し、内向型のリーダーは、部下がイニシアティブをとる能動的なタイプのときに効果的だったそうです。

つまり、リーダーが内向型であると、部下がイニシアティブをとって、どんどん動きパフォーマンスが向上するということです。

私自身も「しゃべリング8」の企画で、様々な方の性格傾向を探っていますが、順調に会社を運営している経営者・リーダーは、圧倒的に内向型が多いことに気が付きます。

だからと言って、外向型がダメという訳では決してありません。
外向型の素晴らしい経営者・リーダーもたくさんいますから。

ですが、もしあなたが少しでも自分を「内向型」だと感じているのだとしたら、内向型であることに自信を持ち、自分を愛し、リーダー、経営者としての資質を兼ね備えていると捉えて頂きたいのです。

内向型の底力は静かにパワフルで、世の中を動かす原動力です!

内向型の活躍は、今後益々広がっていくでしょう。

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