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Produced by Ryoko Kuwana

トーク&スピーチ

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人気と信頼を獲得する「暗黙の言葉のルール5選」

トーク・スピーチ

  
メールやしゃべり言葉の些細な言い回しで、カチンとくることって、ありませんか?

発信するほうは悪気がないのに、受けたほうは不快になってしまう。
もし自分が無意識に、相手を不快にさせていたら、と考えると怖くなります。

ほんの些細なひとことで、人の気持ちは意外なほど大きく揺れ動くもの。

そこで、今回は日常で頻繁に使う5つの言葉のアレンジ基礎編をお届けします。

5つの言葉をまとめて言うと、
「おせ・おつ・おね・くだ・ん」です。

おまじないではありません


最初の「おせ」は、【お世話様です】の略です。

「お世話様です」は、基本的にはねぎいらいことばです。
ただし、たとえ自分が目上であっても謙譲度が低く、
誠意に欠ける印象を持つ場合や、
雑な印象を持つ人、
高飛車な印象を持つ人も多いため、アレンジすることをお勧めします。



<アレンジ>
「お世話様です」

「お世話になっております」
「いつもお世話になっています」
「いつもありがとうございます」

等。これは、簡単ですね。


■次の「おつ」は、【お疲れさま】の略です。

「お疲れ様です」は、相手を労う言葉だと、いつもここから会話やLINEをスタートする方がいますが、オールマイティーではありません。


いつ使うかで、印象がガラリと変わってしまいます。

「お疲れさまです」が相手の労をねぎらい、癒しの効果を発揮するのは、下記の2つのときのみです。

① 同じ職場(現場・チーム)の人が仕事や作業を終えて帰ってきたときや、今、仕事や作業をしていることが明らかに分かるとき。

② 一緒に仕事や作業をしていて、完成したり、終えたりしたとき。

 

このようなときは、「お疲れさま」で、何の問題もありません。

 

問題は相手が仕事や作業をしているかどうかも全く分からないときです。

たとえば、おやすみの日、ソファーに横たわって和んでいるときに「お疲れさまです」とメールが入っても、「疲れてないんだけど」「偽善的だなぁ」と感じる人がいます。
ビジネスの付き合いもない友だちに「お疲れさま」といきなり言われて、上から目線だと感じる人がいます。

更に「疲れる」という言葉は、基本的にネガティブな言葉ですので、文字を見たり、耳にしたりしただけで、ネガティブな気持ちになる人もいます。

ですから、相手が作業をしたことを知っているときか、一緒に作業をやり遂げたときでない場合は、アレンジしましょう。

<アレンジ>
「お疲れ様です」

「お世話になっております」
「おはようございます」 
「こんにちは!」
「おはようございます」
「ご連絡ありがとうございます」
「お久しぶりです」
「元気?」

等、相手との関係性や状況を加味して、いろいろとアレンジしてはいかがでしょうか

■「おね」は、2回以上続く「お願いします」の略です。

何かを「お願いする」ということは、頼みごとがあるということ。

それなのに「します」と言い切ってしまうと、命令されたと捉える人もいます。

前の文章の書き方によって1回のみ使う場合は、違和感を持たれないこともありますが、2回以上続くと命令のニュアンスが強くなるため要注意です。

<アレンジ>
「ご確認をお願いします」

「ご確認いただけますでしょうか」
「ご確認いただければ幸いです」
「ご確認いただけると助かります」
「ご確認いただければ幸甚です」(儀礼的になりがちなので時と場合を選ぶ)等

また、「お手数をおかけしますが」「大変お手数をおかけしますが」など、文脈を考慮し、不自然でなければ、初めにねぎらいの言葉を付け加えてもGOOD!

 

「くだ」は、2回以上続く「下さい」の略です。

「お願いします」同様、相手に頼みごとをするときに使うため、「下さい」が2回以上続くと、命令しているニュアンスになってしまいます。

<アレンジ>
「お電話下さい」

「お電話いただければ幸いです」 
「お電話くださいませ」
「お電話をいただけると嬉しいです」
「お電話をいただけますでしょうか」

また、『お願いします』のときと同じように「お手数をおかけしますが」「大変お手数をおかけしますが」など、文脈を考慮し、不自然でなければねぎらいの言葉を付け加えてもOK。

 

■「ん」は、【最後を「ん」で終える】ことです。

 

最後に「ん」がつく言葉は、冷たい印象、高飛車なイメージが残る場合があります。

「その商品の取り扱いはございません」 
「まだやっておりません」
「佐藤様はいらっしゃっておりません」

など、否定的な内容の最後に「ん」をつけると、拒絶されているように感じてしまうものです。

 <アレンジ>
「その商品の取り扱いはございません」

「申し訳ございません。その商品は取り扱っていないのですが」
★最初に謝罪してから話し始める。

「その商品は取り扱っておりませんので、至急問い合わせ致します」
★「取り扱っておりません」で終わらず、次に言葉を続ける。



いかがでしたでしょうか。

相手の潜在意識にすべりこみ、いつの間にか発信者の印象を決めてしまう5つの言葉アレンジ。

 

こうして言葉をアレンジするだけで、
信頼と人気はグンと上がりますよ。

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