マツコさんの話の聴き方は心理カウンセラーレベル
トーク・スピーチ
■トークの極意は無言のとき
マツコ・デラックスさんのトークの魅力を検証すべく、改めて出演番組と音声データを30本ほどチェックしてみました。
で、気が付きました!
博識であったり、機転が利いたり、無表情だからこそ面白いジョークであったり、トークの魅力はいろいろあったのですが、何よりも図抜けていると感じたのは、人の話を聴いているとき。そう、マツコさんがしゃべっていないときでした。
完全に空になって相手の話しを聴いているのです。
多くの人は、相手がしゃべっているとき、ほんの少しでも次に自分がしゃべることを考えてしまいます。
または、相手がしゃべっているとき、思わずさえぎって自分がしゃべってしまうこともあります。
ですが、マツコさんは完全に空になって(または頭の一部を完全に空にして)相手の話しを聴いているのです。
なぜそれが分かるのかと言うと、相手が話した後の受け答えに、まったくズレがないからです。
完全に相手の話しを隅から隅までキャッチしていなければ、受け答えのできない内容をしゃべっているのです。
■ファンが増える聴き方のツボ
もうこれは、心理カウンセラーレベルの聴き方。
カウンセラーがクライアントの話を聴くときは、クライアントの体験談に集中し、それを追体験しようという意図をもって、ただありのままを聞きます。
ありのままを受け取り、頑張らずに「無知の姿勢」で聴きます。
もっと言えば、言葉自体を聴いているのではなく、態度や様子や心を聴いています。
するとクライアントは、共感されている安心の中で、落ち着いて真実を語れるようになります。
マツコさんの聴き方は、まさにこのカウンセラーレベルです。
受けた後にすぐに言葉が出てくる回転の良さは、マツコさんの卓越した能力であって、なかなか真似のできるものではありませんが、「聴き方」ならば、私たちも真似をすることができます。
自分が次にしゃべることを考えず、とにかく空になって相手の話しを聴く。
心の言葉も聴く。
態度や表情からも言いたいことを聴く。
それができたら、相手は必ず快気分に包まれます。
話を聴いてくれた人のファンになります。
知り合いの方の顔を何人か見渡してみて下さい。
「信頼できる人=自分の話をちゃんと聴いてくれる人」ではないでしょうか。
自分がしゃべることや、後先のことを考えず、ただ空になって話を集中して聴くことができれば、
信頼できる友だちができる、
ファンが増える、
信頼関係が深まる、
相手を安心させることができる、
会話が楽しくなる。
マツコ式の「聴き方」はいいこといっぱいです。
ちょっと今日の会話で試してみてはいかがでしょう。