樹木希林さん企画映画「エリカ38」のモデル・山辺節子受刑者に見る【女の読み解き方】
トーク・スピーチ
樹木希林さんがが最初で最後に企画した映画
「エリカ38」が6月に公開されました。
この映画は、色香で男たちを惑わし、
話術で女たちをたぶらかして金を巻き上げ、
異国の街で逮捕された自称38歳の「エリカ」こと渡部聡子の姿を描いた作品。
主演は浅田美代子さんです。
モデルとなったのは、山辺節子受刑者。
まず、山辺受刑者の「しゃべリングタイプ」をお伝えしましょう。
彼女は明らかに「機転タイプ」です。
「機転タイプ」は、
相手が何を望んでいるかを瞬時に捉え、
適切な対応としゃべり方ができる。
また自己プロデュース力に長け、
「相手が自分をどう見ているか」を敏感にキャッチして
最も自分が魅力的に見える対応をするため、相手の心を捉える。
接客業では、客の心を掴むのが上手い。
まさに男心を手玉に取って、
60歳を超えても38歳と偽れるだけの
「しゃべリング技術」を持っているわけです。
*「機転タイプ」の人が人をだますタイプというわけでは、決してありません。
山辺節子受刑者の「しゃべり」について、
以前TBS「ビビット」で分析をさせて頂いたので、
改めてその内容をお伝えします。
では、山辺受刑者が逮捕されたときの様子から、
分析をしていきましょう。
■しゃべり方
口が横開きで、女性的。
トーンが高く女性的。
声と共に息が漏れて女性的。
完全に「女っぽさ」を演出しています。
■しぐさと表情
タイで逮捕されたとき、
突然、大勢の警察官に取り囲まれ、
緊迫感が増します。
ですが、山辺受刑者は、
ゆっくりと動いて、
表情もゆるやか。
焦りなどひとつも見せず、
優雅で女性的な「動き」をしていました。
並の神経なら、
極度に緊張するか、
罪を隠そうとして怒り出すはずです。
ですが彼女は、
この状況でも、
ゆっくり優雅に動いている。
どんな修羅場でも、
優雅に立ち回ってきた証です。
■視線
警官に向かって「上目使い」と
「伏し目」を何度も使っています。
これは、女性が最も、
「かわいらしく、弱弱しく見える」目つきです。
まさに下から目線。
■指先
右手をすこし開いて、軽く曲げていました。
手を上げた時、
指を広げるのは、
心を開いていている証。
「心を開いていますよ」とこちらが伝えることで、
自分を信用させようとしていることが見て取れます。
習性化するほど、
繰り返してきたことが分かります。
また、指を柔らかく曲げているのは、
女性性のアピールです。
緊張したり頑張ろうとすると、
力が入ったり拳を握ったり、
指が張ってしまうはずです。
■ビジュアル
更に、服装について触れておきますと、
リボンがついているオフショルダーのブラウス。
花柄のショートパンツ。
おでこを見せない前髪。
カチューシャ。
リボン。
すべて「曲線」なんですね。
曲線は女性らしさの象徴。
すべて、美しくというより
「かわいらしさ、女性らしさ」の演出。
男心をくすぐるための徹底したセレクトでした。
いかがでしたか?
山辺受刑者の戦略。
かわいらしくて男を立ててくれる女性を前にすると、
男性はいかに自尊心が満たされるかを熟知しているんですね。
山辺受刑者は、何か自分がやってあげたいという気持ちを引き出すことのプロ。
自尊心マジックです。
また、詐欺を繰り返しているうちに、
「目の前の男性は必ず自分の思い通りになる」という、
完成されたビリーフができたのでしょう。
この確固たる思いが、
相手を「その気」にさせてしまったとも言えます。
■人々の心に潜む「騙されたい願望」
それにしても、ちょっと立ち止まって考えれば、「話がおかしいな」と気づくはずなのに、こんなにたくさんの人が騙されてしまったのでしょう。
ひとつは、下から目線の柔らかいしぐさをする山辺受刑者を前にすると、自尊心が満たされたのではないかと推察します。
「自尊心を満たしたい」というのは、人間にとって熱烈な欲望です。
特に男性にとっては、手に入れたい感情なんですね。
また、人間には、「巻き込まれたい」「コントロールされたい」という
潜在的な欲求があります。
言葉を変えれば、騙されたい願望です。
自ら騙されたいなんて思うはずがないと思いがちですが、コントロールされる、騙されるということは、自力を使わずに済むので楽なんですね。
「流されていればいい」という快感が騙されたい願望の根源です。
どうぞご用心下さい。
上目遣い、
伏し目がち、
口を大きく開けずに横開きでしゃべる女性には!
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