COLUMN

Produced by Ryoko Kuwana

トーク&スピーチ

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5月病を治す方法

コミュニケーション

あなたは5月病大丈夫でしたか?

なんとなくやる気がでなくて、気分がドンヨリ。

ゴールデンウイーク明けに一番多くみられる症状ですが、最近では6月まで長引き、「6月病」という言葉も出てきています。

こういう症状が出るのは、日本だけじゃないんですよね。

たとえばアメリカですと、冬休み休暇明けの1月に「January blues」、夏休み明けに「September blues」と、日本とは時期が違えど、休みから平常パターンに切り替わるとき「あ~あ~、なんかなぁ」と、なってしまうようです。

どこの国の人も、急に環境が変わると、適応するのが大変で、ストレスがたまるんですね。

症状としては、睡眠障害や、頭痛。

免疫力が下がって風邪をひきやすくなったり、めまいや動悸がしたり。焦りや不安を感じて、仕事をしたくなくなったり。

何だかいまいち「パッとしない」という程度の軽い症状から、不整脈が起きたり、パニック障害を起こしたりする深刻なものまで、様々です。

一般に言われている対処法で5月・6月病は治りにくい?

よく言われている対処法は、リラックスする、ストレスをためないようにする、栄養バランスのとれた食事や、質のいい睡眠など、副交感神経を活性化させることを推奨しています。

五月病になる人の傾向として「責任感が強い」「几帳面」「完璧主義」「忍耐力が強い」など、力が入りすぎる人がかかる場合が多いため、楽に、楽に、もっと楽にと、力を抜くことを勧めているのですが…。

えっ、でも、ちょっと待ってください!

楽に、楽に、もっと楽にって、元々それが出来る人なら、5月病にならないんじゃない?

って、思いませんか?

適度に力が抜ける人なら、プレッシャーも少なく、環境が変わってもたいして負担を感じなくて済むと思うのです。

 

元々上手く力を抜くことができないから、頑張り屋だからこそ五月病になってしまうわけで、「楽に、楽に」ができれば、苦労はしませんよね。

5月病の特効薬は与えること

そこで、私がお勧めする五月病の特効薬は、「与えること」です。

突拍子もないことのように聞こえるかもしれませんが、効果は絶大です。

 

ちょっとこれまでの自分を振り返って、イメージをしてみて下さい。

「あれをして欲しい、こうして欲しい」と、人に対して「要求」の感情を抱いている自分。

「あれをやってあげたい、これもやってあげたい」

と、「与える」ためのプランを考えている自分。

ほとんどの方がどちらの経験もあるのではないでしょうか。

さて、この2つの状況で、あなたはどちらが幸せな気分になるでしょうか?

人に要求をしているときは、その要求がすんなり通れば幸せですが、通らなければじれんまや苛立ちがつのり、ストレスとなってしまいますよね。

一方、人に与えたいと思っているときは、「与えること自体」が自分の欲求で、その欲求を自分自身で満たせるわけですから、相手の反応に振り回されることはありません。

与えていることで十分幸せを感じられるわけです。

つまり、人に与え、尽くしているとき心は満足し、癒され、幸せに包まれます。与えることで得られる満足感はとても大きいのです。

たとえば、路上で道を尋ねられたとき、「駅は、そこを右に曲がって、左です」なんて、ちゃんと答えられると「何となくいい気分」になりませんか? 誇らしいような。

たったそれだけのことでも、人は与えることで、満足感を得ることが出来るようになっているのです。

自尊心が満たされるからです。

そして、人は満足すると、心が緩み、寛大になります。

まさしくリラックスしている状態です。

与えることで、満足感を得、心が緩み、結果としてリラックスする。

これが、五月病に絶大な効果を与えます。

とはいっても、ただでさえやる気が起きないときに「与えるなんて、面倒なことできるわけないでしょ!! プンプン」と思うかもしれません。

だからこそ、無理やりやってみるのです(笑)。

でも、モヤモヤを吹き飛ばそうとして、買い物をしたり、暴飲暴食をしたり、ギャンブルをすれば、少なからず後悔が残りますよね。

スポーツをしたり、温泉に行ったりするのは、心身ともに健やかになっていい方法です。それでスッキリするなら問題はないですが、それでもスッキリしないとき、ぜひ、「与える」という行動を試して欲しいのです。

アドラー心理学でいう自己受容、他者貢献、他者信頼によって、自信が生まれ、自分の居場所を確認することができるため、必ず気分がよくなっていきます。

ビジネスでも活用できる

ビジネスでも「与える」ことで大きな恩恵を得ることができます。

たとえば営業の仕事をしている人がクライアントを前に、

「この商品をどうにか買って欲しい。どうしても絶対に契約に漕ぎつきたい!」と思っているとします。

「どうにか買って欲しい!」という、切迫した精神状態ですと、商談が成立すれば幸せですが、断られれば落ち込んでしまいます。

ガクッ、こんなに頑張ったのに、ダメだった…。

あー、もう次のクライアントに会う気もなくなってきた。

と、ほぼ五月病状態。

相手の反応に振り回せれてしまうんですね。

「五月病」も、まさしく周りの環境や状況に「振り回される」から起きる症状です。

これでは、いい結果が出るはずもありません。

営業の話に戻りますと、「何が何でも」「絶対に」「ここまでやったんだから」と、欲望がエスカレートしていくと、自分の利だけを追求することになり、クライアントの目には契約を成立させると損をしてしまうように映り、結果、商談は難航してしまいます。

ところが、「どうしたらクライアントが幸せになるだろうか」「どうすれば満足するか」「どうやれば相手が素晴しい未来と遭遇できるだろう」という気持ちで頭を巡らせ、言葉を放つと、商談成立の確率はグンと上がります。

もしも商談が成立しなかったとしても、相手に与えつくしたことで、自分の心は栄養をたっぷり含み、逞しく育っています。

 

更には一旦ここで経験の場を与えてくれた相手に感謝の気持ちをしっかり抱くと、しばらくして必ず次のチャンスが訪れます。

 

そのチャンスは、同じ相手からかもしれませんし、他の人からかもしれません。しかも心がステップアップしていますから、以前のチャンスより少し大きなチャンスです。または、自分自身がもっと大きくなるためのチャンスです。

私の経験から言うと100%次のチャンスはやってきます!

チャンスに気が付けばですけど…。

 

与えることって、自分の心の栄養になるだけでなく、商談をも成立させ、更なるチャンスを引寄せ、五月病をも吹き飛ばしてしまうすざまじいエネルギーなんですね。

いつでもどこでも簡単にできる5月病の治し方

私たちは毎日様々な場面で簡単に「与えること」ができます。

〇 電車でお年寄りに席を譲る。

〇 部屋の掃除をして家具に鋭気を与える。

〇 手伝ってと言われたら、「はい、喜んで」とやってみる。

〇 誰かが欲しがっていたものを一緒に探してみる。

〇 ハガキや手紙を書く。

〇 料理を作ってあげる。

〇 食事をおごる。

〇 頼まれごとを買って出る。

〇 プレゼントをあげる。

〇 相談に乗る。   

〇 寄付をする。 等々。

人に与えることは、一見大変なことのように思えて、結果自分を満足させる見返りの大きい至福の行為です。

活躍し、金銭的にも精神的にも満たされている人は与え続けています。というより与え続けているから、金銭的にも精神的にも満たされるのでしょうね。

世の中にはリラックスすることが苦手な人は山ほどいます。

実は私もそのひとり(笑)。

多くの人は、リラックスすることよりも力を入れることのほうが得意だからです。

「力を入れて」と、言われればギュッと拳をつくることもできますが、「さあ、力を抜いて」と言われても、急に脱力することは難しいでしょ? 役者でもない限り、なかなかできません。

ですから、「リラックスして、ストレスをためずにのんびりと過ごせば五月病は治る」と言われても、なかなかできるものではありません。

五月病になりやすい人だからこそ、「与える」という能動的な行為で満足感を得、結果としてリラックスしてみてはいかがでしょうか。

ぜひ、試してみてくださいね。

まとめ

  • 生真面目な人は力を抜くことが苦手のため、リラックスのスイッチが入りにくい。無理にリラックスしようとしないでいい。

  • 能動的に与えることで、結果、満足を得、リラックスし、五月病を治す。

  • ビジネスでも効果的な「与える思考法」を活用する。

  • 毎日いつでも、与えることはできる。毎日どこにでも、治療の場があふれている。日常を活用しましょう。

詳しくは講演「魅力拡大プロジェクト~活きのいい自分が動き出す画期的新習慣」の中でお話します。

ときどき出てくる登場人物

メンタル心理カウンセラー ティーちゃん   <切れ者>

  おしゃべりな鳥  ツボ太 <聞きたがり> 

《筆者》 桑名涼子 <司会者/トーク診断士/タレント>

テレビ、ラジオ、イベント、ディスカッションなどでの司会と共にトーク診断士として、全国での講演や、様々なメディアでのコメンテーター、雑誌新聞などでアドバイスやメンタル診断の監修を務める。  

長年に渡り「しゃべりと人間の本質との関係」を探求し、人の”しゃべり”(しゃべり方・しゃべる内容・声)を8つのタイプに分けて、「自分自身の魅力と出会う人の本当の魅力」を引きだすためのコミュニケーション・ツール「しゃべリング8」を考案。

スピーチ・ブランディングに活用するほか、メディアで発表している。

  また、メンタル心理カウンセラーとしても活動し、執筆しt「RKカード」は、口コミで広がり全国に数万人のユーザーがいる。   座右の銘 「面白い人でいたいから、面白いことをやっていたいと思う」 詳しいProfile

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