なぜ大勢の前だと自分らしく話せないのか!?
メンタル
なぜ、家族や親しい友達の前だと、思ったことを、思った通り、表情など気にすることなく話すことができるのに、大勢の人の前に立ってスピーチをしたり、プレゼンをしようと思うと、それができなくなってしまうのでしょうか。
人数に圧倒されてしまうのか?
自分に自信が持てなくなってしまうのか?
「大勢の前で話すこと」イコール「あがる」とインプットされているからなのか?
聴衆からどう思われるか分からないことへの不安なのでしょうか?
どれもあり得ますが、ひっくるめて言うと、原因は「自意識」です。
「自意識」は、簡単に言うと、自分に関して過剰に意識を持ってしまうこと。
人前に立ったとたん、自分が他者からどう見られているかという意識が大きくなり、「良く見せたい」という気持ちが膨らんで、「上手くやらなきゃ」と思えば思うほど、思っていることと、話していることと動作や表情にギャップが生まれ、ぎこちなくなってしまうわけです。
ですが自意識は誰もが持つ、正常な意識です。
誰でも自分に一番興味があり、自分の見え方が気になるため、他者を意識してしまうのは当然なことです。
ただ自意識が過剰になってしまうと、精神的にブレやすくなり、本来の自分らしさを出すことができません。
自意識が、「過剰」か「過剰でないか」が問題です。
自意識過剰になってしまう大きな原因は、「真の自分を隠そう」という気持ちにあります。
格好悪いところを見られたくない、恥ずかしい思いをしたくない、ヘンなクセを知られたくない、だから真の自分を必死に隠そうとします。
ですが、
いくら自分を隠そうとしても、
実は、
そこには、
大きな真実が眠っています。
それは、
どんなに自分を隠そうとしても、ほとんどの場合、相手は自分の本質を見抜いている。
ということです。
自分が弱点だと思うことを人はすでに感じ取っているのです。
人間は、鋭い察知能力があります。
それが日常よく私たちがやる「雰囲気」で相手を見るという行為です。
相手のことなど、ほとんど知らないのに、
「あの人は優しそう」
「あの人はお金持ちそう」
「あの人は意地悪そう」
と、雰囲気を感じているのは、まさにその人の真髄を「なんとなく」見抜いているからです。
多くの人が自分の本質を感じ取っているというのに、無理やり自分を隠そうとするのは、頭を出したまま穴に隠れているのと同じです。
私も、ダメな自分をどうにか隠して、必要以上に良く見せようと思うことが、何度もありました。
極度の緊張から、そんなつもりはないのに、必死に繕ってしまったこともあります。
でも、無駄な抵抗なんです。
隠してもバレてる。
隠せば隠すほど疲れる。
隠そうとすればするほど、緊張する。
そんな経験がある方なら、「つくろう」ことの無意味さを実感できるのではないでしょうか。
「表情やしゃべり方などを‘コーディネート’して、自分をブランディングしていくこと」と、「本当の自分を隠すために’つくろうこと’」は、まったく別のことです。
その違いは、
’コーディネート’することは進化のための前向きな行為ですが、
’つくろうこと’は弱弱しく自分の魅力を削ぐ行為だからです。
この事実を完全に頭に入れて、少しずつつくろうことを手放してみませんか。
きっと気分がよくなり、次第に自信が湧いてきます。
これは、プレゼンやスピーチに限らず、普通の会話でも同じです。
まず、最初にできるトレーニングは日常会話です。
出来る限り思ったことを(心)、思ったままに言葉にし(口)、思ったまま気持ちよく表情や身振り手振り(行)をつけて、話すことをやってみる。
これが自意識から離れる一番のトレーニングです。
思ったことを思ったまま口に出したら、嫌われてしまうのではないか…?
と思いますよね。
確かに嫌いな人に面と向かって「嫌い!」と言ったら、当然怒ってしまうでしょう。
ですから、もちろんそこは、言い方を考えてです。
相手を傷つけてしまうような言葉はセレクトせずに工夫して伝えます。
実はこれが、人前で自意識過剰になってしまうことを抑えるトレーニングになります。
「本当の自分を隠す」「自分の弱さや自信のなさを隠す」という、ことをやめるための練習です。
あなたがあなたらしく、大勢の前でも楽しんでスピーチができますように、まずは日常会話でトレーニングしてみてくださいね。
まとめ▼
〇 「思っていることと(心)、話していることと(口)、動作や表情(行)」の3つが合致すると心地よくなり、聞いている人も快気分に包まれる。
〇 自意識が過剰になってしまうのは、自分をの本性を隠そうとするから。でも、ほとんどの人が本性を見抜いている。
〇 魅力あふれるスピーチの正体とは、思っていることと、話していることと、動作や表情を一致させることが原則。
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